2017年夏、夫の海外転勤に伴い家族で渡米。
ちゃぼちゃん 七歳 男の子
どさもん 四歳 女の子
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アメリカに来たばかりの頃
国際線に乗っている時も
空港に着いた時も
日本からとても遠くの異国の地に来てしまった
この気持ちが大きく、強く、とても不安でした。
飛行機で13時間ですからね。
もちろん機内で眠れませんでした。
ちゃぼパパが運転してくれる車内から見えるのは
英語だらけの標札。
首都高のように入り組んだ道。
日本では見たことのない大きな大きなタイヤの巨大なトラック!
身が縮まる思いとは正にこの事!
寝不足でフラフラで
ギョッとするような巨大な街を見せられて
まるでジャックの豆の木に登って来てしまったかのような
自分が小人になってしまったかのような
そんな錯覚に戸惑ったことを覚えています。
急に頭の中が晴れました
一週間は時差ボケも酷く、頭の中は霧がかかったような状態でした。
慣れないキッチン
慣れないスーパー
慣れない我が家…
だけどここで数年暮らさないといけない
旅行者感覚ではいられない
そんな焦りもあったかも知れません。
週末
ちゃぼパパが運転してくれる車の中から
青く青く広がる空に気付きました。
それまでも目の前に広がっていたのに。
空はいつもそこにあったのに。
その時には確かに
青空に急に「気がついた」のです。
私は一言
「アメリカの空はどうしてあんなに広いの?」
そう呟きました。
この時私は
頭の中の霧がさぁっと音をたてて消え去り
頭の先からつま先まで何もかもが
「私」を取り戻した。
そう感じました。
「感じる」不思議
ちゃぼパパは少し大きな声で
そうでしょう?アメリカの空は広くて高いでしょう?
前にそうLINEで話した時に
ちゃぼママは「そんなわけないよ」って言ったんだよ。
だけど、やっぱりそう思うでしょう?
そう言いました。
私はすっかり忘れていましたが
確かにちゃぼパパは
アメリカの空は広い
そう話してくれていたのでした。
(ちゃぼパパはアメリカに何度も出張に来ていて、私たち家族が来る前に先に渡米して暮らしていました)
私は
不思議だなぁ
同じ世界の同じ空のはずなのに
どうして日本の空と違って見えるんだろう。
この空は確かに
日本と繋がっているのに。
そう思いました。
そして
確かにこの空はどこまでも繋がっているんだ。
同じ世界なのだと
当たり前のことがストンと
心にしっくり来たのでした。
あぁ、大丈夫。
私はとんでもない異世界に来てしまったような気になっていただけなのだ。
ここは確かに日本と同じ世界なのだ。
世界はちゃんと繋がっているんだ!
アメリカの人も私と同じ人間なんだ。
あの日から私の中で
アメリカの風景が異世界ではなくなりました。
国は違うけれど
同じ世界の空の下。
大丈夫、怖くない。
世界は繋がっていると実体験できた
そんな思い出です。